会計士で独立を検討されてる方や独立する際に監査法人の非常勤勤務があるなんて言われていますが、実際はどうなんでしょうか?
他にも業務委託でバイトがあるからなんて話も聞いたりしますよね?
そんな監査法人の非常勤や業務委託の業務の実際とメリット、デメリットを紹介したいと思います。
監査法人の非常勤業務って?
簡単にいうと監査法人の非常勤業務っていうのは、監査法人でのアルバイトです。
当然公認会計士として、アルバイトするので時給は高くて、たくさんアルバイトすれば、それだけで生活できてしまうほど。
監査法人の非常勤ってどんな人がやるの?
ただ独立した公認会計士で非常勤だけで生活している人は少ない印象です。税理士事務所の形で独立している方が多いイメージだと思います。
実態としては、独立した最初の頃は税務のクライアントが少なくて収入があまりない、そんな中で時給のよい監査法人で効率よくアルバイトしつつ、自分の税務のクライアントを営業して増やしつつ、クライアントが増えるとともに非常勤を減らしていくのが一般的だと思います。
実際にはどんな勤務形態なのか?
常勤ではないので、通常の監査法人の同様にアサインがあれば、その日に事務所やクライアント先に集合して仕事をして帰るといった形になります。
監査法人によって、連絡手段や連絡方法は様々だと思います。
繁忙期は当然4月、5月になるので、4月、5月でがっつり稼いで、他の月で税務の仕事や営業をされている方が多いです。
監査法人の非常勤のメリット
とにかく時給がよく、独立したてで仕事があまりない方にとっては、金銭面で非常に助かる仕事です。
税理士事務所に勤務して、のれんわけしてもらった会計士ではない方にとっては。多くの方が仕事が安定するまでに、非常勤をやっているケースが多いのではないでしょうか。
監査法人の非常勤のデメリット
次に監査法人の非常勤のデメリットです。
デメリットの一つは特に大手監査法人の場合には、景気や監査法人の方針によって、不安定な立場だということです。
景気が悪くなれば、当然クライアント先の減少や監査報酬の減少に伴って、非常勤が一番最初に削減対象になります。また、監査法人の方針が変わって、非常勤を減らして、監査の品質やセキュリティ面をきちんとしようということになれば、非常勤の勤務がなくなることがあります。
そしてもう一つが、自分の業務に使える仕事の時間が減るということです。
意外と見落とされがちですが、独立した会計士にとってはこちらが大事な気がします。
確かに非常勤という形態もあり、時給がいいため、非常勤の監査にどっぷり浸かってしまい、独立したてで仕事の仕事を増やしていかないといけないのにも関わらず、非常勤の仕事ばかりして、自分の仕事が増えていかないリスクがあるということです。
大手監査法人や準大手監査法人では、年間100日は非常勤で仕事をすることを求められている法人もあるようです。
その場合には、年間約240日の営業日に対して40%以上が非常勤の仕事になってしまうので、独立して仕事を増やしていくのには、拘束時間が結構大変だったりします。
業務委託って何?
次に業務委託の仕事を紹介します。業務委託は要は外注の下請け仕事です。
他の独立した会計士や大きい事務所、会計士が運営する仕事の紹介サイトなどから、業務委託という勤務形態で、時給いくらといった形で業務を請け負う形になります。
どんな勤務形態になるのか?
業務内容によって様々です。直接クライアント先に行かなければならない業務もあれば、リモート可能な案件があったりします。
勤務日数も様々で、プロジェクト単位で特定の期間がものすごく忙しいケースもあれば、週に3日常駐するなどのケースもあります。
業務委託のメリット
一つは監査法人の非常勤と同様に金銭面です。
やはり独立したての仕事の少ないうちに業務委託があると、金銭面で非常に助かる点はメリットとしてあげられます。
もう一つは監査法人の非常勤とは異なったメリットですが、監査法人の監査とは違い、様々な業務経験を積めるということです。
財務DD、アドバイザリー業務、内部監査、経理の業務委託があったりしますので、独立して視野や幅を広げたりするのにはいいのかもしれません。
業務委託のデメリット
基本的には監査法人の非常勤と同じです。
今は景気がいいのと人手不足の状況で、業務委託が多いように感じますが、当然業務自体が減れば、業務委託がなくなってしまいます。
また時間も定期的な業務で自分の仕事の時間を確保しながら、行える業務であればいいのですが、基本的に業務委託を受けている方の方でも人が足りてないから、業務委託をお願いしているわけで、そうならないことが多いように感じます。
独立された会計士の方の業務であったりするので、監査法人の非常勤と異なり、体制が完成されているところで業務を行うわけではないので、定時で終わりではなくて、深夜まで仕事することもあるので、自分の仕事との兼ね合いが大変になることもあります。
もともとの話では月に50時間稼働という約束だったのに蓋を開けたら、月に100時間を超えたとか、夜に1週間程度作業するはずだったのに結局2週間程度日中も含めて作業することになったりという経験があります。
結局監査法人の非常勤と業務委託はやった方がいいの?
結論からすると、人によるということになるかと思います。
覚悟を決めて、税理士としての自分の仕事しかやらないって貯金でやり繰りしていく方もいます。また非常勤バイトや業務委託の仕事をやりつつ、非常勤バイトや業務委託を減らしていくという方もいらっしゃいます。
私自身は独立したてで自分の仕事が少ない方には、監査法人の非常勤や業務委託は金銭面で非常にありがたい業務だと思いますし、私も監査法人の非常勤や業務委託を受けていたことがあります。(監査法人の非常勤は今も継続しています。)
ただし、そればかりになると非常勤バイトと業務委託だけで、その時間で手一杯になり、自分自身の業務を増やしていくための営業の時間をとれずに、自分自身が契約している業務がない(あってもそれだけでは食べていけない)という方も結構いる印象です。
そのため、やるにしてもきちんと自分で方針を決めることが大事だと思います。
- フリーランスのように非常勤バイトと業務委託をメインで業務をする
- 独立にあたって自分自身の契約の業務をとるまでに年●時間、月に●時間、年●円、月に●円までに抑える
働き方は色々!
会計士として独立された方は、税務以外にも様々な業務にチャレンジすることが可能です。(もちろん、税理士の方も同様です。)
独立された方の中にも中小の監査法人で社員として監査を半分やりつつ、税務業務をされている方もいらっしゃれば、大手監査法人の非常勤をやりつつ、税務の業務を増やされて監査も今はやっていらっしゃらない方もいます。
監査や税務ではなく、コンサルタントとして、アドバイザリー業務や今までの経験を活かした業界の業務だけを行なっている方もいらっしゃいます。
ただデメリットの部分はきちんと理解した上で、監査法人の非常勤や業務委託に依存してしまい、その業務がなくなったときに、自分の仕事がなくなってしまうということは独立の失敗となってしまいますので、せっかく独立したのに非常勤バイトや業務委託だけというった状況は避けるべきといえるでしょう。
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