独立を考えている方が気になるところといえば、実際に独立したら、どれくらいの固定費がかかってくるの?というところだと思います。
なんとなくですが、会計士や税理士って、売上ありきでこれくらい売上が見込めるから、独立だ!って方より、
経費がこれくらいかかって、売上がこれくらい見込めるから、売上が見込めなかったら、自分の生活が前の年収から下がる可能性もあるし、独立はちょっとなぁ
って立ち止まってしまう方が多いイメージはあります。
ちなみに自分を含めて周りの公認会計士・税理士の方の年収・年商の印象はこちらから
当然独立を考えたときには経費の見込みは考えなければなりません。
自分が独立してみて、実際の固定費がどれくらいかかっているかをご紹介します。独立を検討されている方の参考になればと思い、一例として紹介します。
実際に毎月かかっている固定費
まずは結論から先にお伝えします。
固定費でかかっている費用は124,900円です。
内訳はこちらです(支払時期は毎月ではないです。)。
- 家賃(レンタルオフィス)…60,000円(管理費込み)
- 水道光熱費…0円(レンタルオフィスのため水道光熱費はなし)
- 通信費・インターネット…0円(レンタルオフィスのため、インターネット込み。レンタルオフィスの備え付けの電話がありますが、ほとんど携帯電話でやり取りしているので、ほぼ0円)
- 携帯電話代…3,000円(格安simで機種代は一括購入しており、機種代は含みません。)
- 交通費…12,000円(事務所と自宅間の定期代のみです。)
- 会計士の会費…8,500円
- 税理士の会費(東京税理士会)…6,750円
- 税理士の会費(支部会費)…3,000円
- 弥生会計pap会員…5,500円
- 達人申告ソフト…19,000円
- office365…1,000円(word、excelなどのサブスクリプション)
- Adobe…1,700円(AdobePDFのサブスクリプション)
- レンタルサーバー…1,500円(メールやHPのためのレンタルサーバー)
- Dropbox…2,200円(ファイルストレージのサブスクリプション)
- Gsuite…750円(Googleのメールやスプレッドシート、ドキュメントなどのサブスクリプション)
内訳の詳細
固定費の内訳について説明をしていきます。
家賃・水光熱費・通信費・携帯電話代
固定費で一番大きいのは、やはり家賃水光熱費通信費になってくるかと思います。
私はここはレンタルオフィスで金額はそこまで高い金額を支払っているわけではありませんが、50%程度はこの固定費のため、内訳でみるとやはり大きいなという印象です。
自宅事務所にするかオフィスを借りるかのメリット・デメリットの記事はこちらに記載しています。
レンタルオフィスではなく、通常のオフィスを借りると水光熱費が別にかかってくると思いますので、通常のオフィスを借りる方はその点も考慮する必要があります。
交通費
交通費です。私は基本的には税理士のクライアントへの訪問は行わず、ビデオ通話、チャットツール、クラウド会計を使っているので、自宅と事務所間の定期代のみです。
厳密にはそれ以外の会計士としての仕事やコンサルなどの業務の交通費もあるので、変動的な交通費もありますが、記載は固定費の定期代のみを記載しています。
これから独立する方は、訪問してクライアント対応する場合には結構な交通費がかかってきますので、その点は考慮する必要があります。
公認会計士・税理士の会費
意外とかかってくるのが会費です。
公認会計士としての業務しか行わないという方は、会計士の会費のみ、税理士としての業務を行わないという方は、税理士の会費のみがかかってくるので、金額が変わってきます。
会計ソフト・申告ソフト
どの会計ソフトを使用する方針とするか、どの申告ソフトを使用する方針かによって、かなり金額がかわってきますし、いろいろな選択があり、税理士向けの営業もたくさんくるところです。
未だに会計ソフトや申告ソフトの営業や広告の手紙がたくさん届きます。
私は弥生会計は会計士の業務で使用しているので、厳密にはクラウド会計ソフトをクライアントに使っていただいて、それを招待してもらっているので、会計ソフト自体は事務所で購入しているものはないです。
弥生会計PAP会員は会計事務所向けのライセンスで複数の年度のバージョンや弥生給与なども使えるものです。それが1アカウントで66,000円(税込)で年1回払いです。
申告ソフトはどうしても必要になってきますが、私は機能面やコスト面から達人を使用しています。
達人は税理士向けの電子申告セットと追加でデータ連携(クライアント情報を複数の申告ソフトで連動できる)と申請・届出書を申し込んでいて、約20,000円弱を月々に支払っています。
サブスクリプション関係
最後のサブスクリプション関係のサービスの固定費です。
Office365
マイクロソフトのExcelやWordなどの一式を使えるサブスクリプションです。Googleのスプレッドシートやドキュメントを使用している会社も増えている印象ですが、やはりまだまだExcelやWordを使うということが多い印象です。
そのため、月々支払うサブスクリプションでなくてもExcelやWordなど買い切りパッケージでも購入する必要性がでてくる可能性は十分にあるのかなというところです。
独立した会計士・税理士でたまに節約のためなんだとは思いますが、フリーソフトでやりくりしている方がいらっしゃいますが、ある程度の規模の会社の業務を行っていた際にその方の作成したファイルが複数人で作業する際に互換性がなかったりということでエラーが生じてしまったりしていることがありました。
あくまで個人的な印象ですが、月々1,000円のものをケチって、互換性とかで色々とやり取りする手間を考えるとExcelやWordくらいは入れておいたほうがよいかと思っています。
Office365ですと毎月費用はかかりますが、最新の状態のOfficeが使えるので、私は必要経費であると割り切って、Office365を使用しています。
Adobe
PDFソフトのサブスクリプションになります。恐らく皆様が目にしたことのあるPDFソフトかと思います。
私はクラウド会計やIT関連などの業務が多いので、PDFの編集や読み込みがスムーズにできる必要経費として、AdobeのPDFソフトを使用しています。
レンタルサーバー
HPのためやメールのためのレンタルサーバーを使用しています。HPとメールについては、色々なやり方や方法があると思います(AWSとか家庭用のメールサービスを使う、HP作成のサービスを使う)。
自由度と手間を考えて自分でレンタルサーバーを借りて、メールやHPを運用する方法を選びました。
私はお名前のレンタルサーバーを使用しましたが、もう少し選べば安いレンタルサーバーを使用することもできると思います(月々1,000円くらいのでも十分なスペックのものがあると思います。)。
Dropbox
GsuiteなどのGoogleドライブなどの他のファイルストレージもありますが、私はDropboxの個人のプロフェッショナルを使用しています。
ですので、少し月額費用が高めだと思います。Gsuiteであれば、含まれていますし、GoogleDriveを個人で使用していれば、GoogleDrive、Office365のOneDriveなどの好みのものを使用していけばよいところかと思います。
Gsuite
主にメール用で使用しています。もともとOffice365のOutlookを使用していましたが、スマホなどでOutlookがうまく連携できなかったので、スマホでも返信やメールが見れるという点と、GmailでどのPCもブラウザでログインすれば、メールが使える(PCを買い替えた場合など)という点で結局Gsuiteのサービスを使用しています。
GsuiteのGmailを使っていますが、GsuiteのGoogleDriveやGoogleスプレッドシート・Googleドキュメントなどもクライアント共有で使用しています。
固定費の実態まとめ
私の場合には、月額で約125千円という固定費がかかっています。
固定費の約半分がレンタルオフィスですので、オフィスを借りたり、自宅事務所にすることで固定費もかなり変動してくるところかと思います。
また、申告ソフトや会計ソフトもどのプランにするかも合わせてピンキリだと思いますので、その点も固定費を見込むのに、留意が必要です。
私の場合にはサブスクリプションの金額多めですので、その点は少し抑えられる点かと思います。
それ以外にも従業員を雇用する方は従業員の給与も入ってきます。
また記載はしていないですが、PCの購入費や携帯の端末購入代についても固定費として見込むかどうかという点もあります。
私の事務所の固定費の一例ですので、参考にされる場合にはそれぞれの状況を加味しつつ参考にしていただければ幸いです。
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