監査法人の非常勤勤務については、こちらの記事で記載した通りです。
この記事ではさらに踏み込んで、大手監査法人で非常勤をやるのか?中小監査法人でやるのか?という点を記載していこうと思います。
先にですが、私はどうしているのかというと、中小の監査法人で非常勤をやっています。
大手監査法人でやることのメリット・デメリット
まずは大手監査法人でやることのメリット・デメリットを書いていきます。
メリット
研修制度など充実しているので、非常勤勤務でお金をもらう以外に研修も合わせて非常勤で行うことができる
公認会計士・税理士だと研修単位が毎年必須になってきます。
(厳密には税理士は単位が足りないと公表されるのみですが、基本的にはその公表のことを考えると必須に近いです。)
独立して自分で研修単位をとろうと思うと結構大変です。
自分で取ろうと思うと、会計監査ジャーナルを読んで、記事を申請したり、自分で研修を受けにいったり、イーランニングを購入したりする必要があります。
大手監査法人ではその監査法人の品質管理の一環も含めて、強制的に研修を受ける時間が設けられます。
監査法人で研修を予定を調整して出社して受けるようにされることが多いようです。研修時間も時給がちゃんと発生します。
(通常の時給より研修の時給はかなり安くはなります。)
最新の監査や会計の情報に触れられる
独立すると最新の監査の基準や会計基準の情報は自分で学ぼうとしないと、置いていかれる部分はあります。
特に税理士もやっていると色々とキャッチアップする情報が多くて、大変です。
大手の監査法人にいれば、大手監査法人の最新の情報に触れられるので、その点もメリットです。
デメリット
続いてデメリットです。
年間のアサイン日数が結構取られる
監査法人の品質なのかどうかはよくわかりませんが、ある程度の出社(アサイン)が求められます。
私が聞いたところによると、年間100日以上は最低でもアサイン日数が必要など縛りがあるようです。
私も準大手の監査法人の非常勤監査の紹介のお話をいただいて、お話を聞きにいったところ、年間100日は最低でもアサイン日数は必要で、研修を受ける時間は研修を受けにくる必要があるとのことでした。
準大手でも大手監査法人に近しい状態の可能性はあると思います。
あまりにも年間の拘束時間が長いと自分の業務の時間が削られてしまいます。
特に営業的な新規の仕事に回す時間がなくなると本末転倒なので、繁忙期の対応も含めて自分の時間が確保できるか(ある意味繁忙期+自分の業務に耐えれるのか)という点は要検討ですし、定時に上がれるのか、定時に上がっても周りの雰囲気的にも大丈夫かどうかというところはあると思います。
大手監査法人でのルールに縛られる
当然業務をしているわけですから仕方のないことです。
ただし当然監査法人のルールや研修など、守らなければならないことは大手監査法人の方が多いかと思います。
それ以外にも大手だと関与先も多いので、独立性の部分で、縛りが出てきます。
非常勤で参加している監査チームのクライアント周辺のちょっとした業務を公認会計士・税理士に頼みたいというようなケースで依頼が別のところから来ても、独立性の関係で受けれなかったりすることも多いのかなと思います。
中小監査法人の非常勤勤務のメリット・デメリット
まずはメリットから記載していきます。
中小監査法人でのメリット
大手より時給が高いことが多い
なぜかと言われると自分も明確な理由はわかりません。
人手を集めるのに、大手より高いのか、昔の監査法人の公認会計士向けの報酬の名残なのか、大手より時給が高いことが多いです。
時給が高い分、非常勤で貰いたい金額に達するのに、少ない日数で済む可能性が高いので、自分の業務の時間を確保しやすい面があると思います。
融通がきくことが多い
中小の監査法人だと、監査法人に属している方も自分で税理士事務所をやられている方が多いので、ある程度自分にもそういった業務があるということは理解してもらえるので、大手より融通がきくことが多いのかなと思います。
デメリット
次にデメリットです。
情報や研修などは充実しているとはいえない場合がある
大手監査法人に勤務していたときに比べて、やはりそういう面はあると思います。
監査法人の掲示板にアクセスすれば、会計処理の見解が書いてあったり、監査基準に従ったテンプレートが色々と揃っていたり、研修がすぐに受けられる、
というものがなんでも完璧に揃っているというところまでではないと思います。
(もちろん監査法人としての品質管理もありますので、研修はありますし、監査基準に従ったテンプレートなどもあります。
大手監査法人の品質管理の専門の部署に何人も人がいて色々な業種のナレッジや色々なものがそこにアクセスすると、何でも揃っているというところで比較しての意味です。)
逆に人が足りていないと忙しくなる可能性がある
これは大手監査法人のデメリットでも記載しましたが、中小の監査法人でも人手が足りていない監査法人や勤務形態で時間が決まっていない(残業が他の社員と同様に求められる)場合には、自分の業務や営業に回す時間が足りなくなる可能性があります。
その点は非常勤勤務も受ける前に自分の条件と合うかは要確認です。
監査法人の繁忙期は、終電近くまでやるのが1カ月続いて、1か月丸々自分の業務の時間に回す時間がないとなってしまわないか、それ以外でも遅くまでやる期間があるとなると、かなりきつい状態になってくると思います。
私が非常勤バイトを中小監査法人でやっている理由
一番大きいのは、自分の業務に回す時間が作れて、報酬が大手より高く、融通がきく点です。
研修やナレッジの部分は仕方がないかなと思いますし、独立した以上どこかの組織に依存するものでもないかと思っています。
参考ですが、自分は年間40-50日くらいの勤務です。
単純平均で月に4日ですが、繁忙期は、10-15日くらいの月が2月程度あり、繁忙期でないと、月に2-3日程度のこともあります。
自分以外のメンバーも含めて、夜遅くまで対応することはほとんどないので、自分の業務などと調整しやすく、個人的には中小の監査法人での非常勤でよかったと思います。
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