独立するまでのキャリアと監査法人の経験でよかったこと・悪かったこと

私の独立するまでのキャリアと、そのキャリアで独立したあとによかったなと思った経験や独立という意味では経験しなくてもよかったなと思った経験を参考に記載します。

私の独立するまでのキャリア

まずは、私は独立するまでに実際の監査法人でどんなキャリアだったのかを参考に記載します。

いわゆる一般的な監査法人でのキャリア

独立のために特別にキャリアを積んでいたわけではなく、普通のキャリアでした。

5年ほど監査法人にいたのですが、全体としては、1-3年は普通にスタッフとして、アサインされた業務をこなし、

修了考査を受けて、受かるとシニアに昇格して、インチャージ・主査として監査チームを持って、というようなイメージ通りのキャリアです。

監査法人入所時には、業種に特化した部署で普通に監査を行う部署に配属されました。そのまま異動などもなく、やめるまで同じ部署にいました。

就職活動中に監査法人に入って、専門分野が作れるというのはいいなと思って希望を出したら通ったという感じです。

配属されてからは、もともと独立したいということを思っていたので、その中でインチャージ・主査はやってから、やめようと思っていました。

それも独立するなら、インチャージ・主査をやってからのほうがいいよという話を聞いてのことです。(実際どうだったのかは後半に記載します。)

たまたま2年目にインチャージ・主査をやる機会があり、その時には積極的にやりたいです、といった記憶があります。

(本当に小さい会社で監査メンバーも自分一人という状態でしたが、)

それ以外でも所属している部署が人が足りていないこともあり、その2年目のインチャージ・主査以外でも、シニアになる前からインチャージ・主査をやっていたりしました。

今思い返すと、取り立てて独立のためのキャリアになる部署や経験ができる部署に所属していたというわけではなかったです。

そして、監査法人を退職して、税理士事務所への転職やコンサル会社への転職はなく、そのまま独立しました。

その点は税理士事務所などもやっている公認会計士の方やコンサルなどの業務をメインにされている公認会計士の方とは少し違ったキャリアなのかなと思います。

独立して税理士としても活動したいという方は、グループの税理士法人や他の会計事務所に転職されるケースが多いです。

会計士の業務メインで活動されている方もコンサル会社などに転職してからの方が多い印象です。

監査法人の経験で良かった点・悪かった点

監査法人の経験で良かった点や独立という意味では経験しなくてもよかったなと思ったことを記載していきます。

監査法人一般のところと自分のキャリアを改めて考えてみて、よかったこと、経験しなくてもよかったことを分けて書いていきたいと思います。

監査法人の経験でよかったこと

まずは一般的なところでよかったことを記載します。

社会人経験が身についたこと

メールや電話などのことから含めて一般的なビジネスマンとしての経験が積めたことはよかったです。

もちろん監査法人がものすごくかっちりしているわけではないと思います。

どちらかというと、緩い部分の方が大きいかもしれません。

ただ、自分できちんとしようと思ってその点が身についた点はよかったです。

こんなこと書いても、もっと厳しい会社や文化のある会社もたくさんあると思いますので、人に誇れるほど、まだまだですが、、

PCスキル

PC、特にexcelのスキルが身についたこともメリットでした。

監査法人では調書をexcelで作ることが多いのですが、会社の会計データをCSVやexcelで送っていただいて、それを加工して、excelで調書に加工するという作業を大量にできたことはよかったです。

今でも税理士の仕事やコンサルの仕事でも、会計ソフトから出力してちょっとした集計をさくっとしたり、効率的にデータ加工したり、出力したデータをレポートにしたり、出力したデータをexcelでチェックしたり、と非常に役立っています。

監査という業務を経験できたこと

大手監査法人に入所したこともあり、監査品質レベルの高い監査を経験できたのはよかったと思います。

もちろん監査法人のテンプレートを作るだけではなく、自分で内容を理解する努力は必要だと思います。

この基準で要求されてるから、このテンプレート作ってるんだ、とか基準で書いてあるこれがテンプレートのここに書いてあるのか、とかです。

もちろん大量に作っていくうちに、あー、もう面倒だなというのは、出てきてしまうのですが、、

今非常勤で監査していたりするときには、もちろん役に立っていますし、会社の数値全体を見ていく、その数値が合っているか(これが根拠の資料のはず)、基準・法令などを調べて会社の状況にあてはめるという視点は、税理士であっても、ほかのコンサルなどの業務でも非常に役に立っています。

独立という意味では経験しなくてもよかったなと思うこと

次に独立という意味で監査法人で経験しなくてもよかったなと思うことです。自分のキャリアと関係なく、一般的な監査法人の経験というところで記載します。

いわゆる面倒な意味での人間関係

独立した今でも連絡をとる先輩・同僚・後輩はいますし、仲良くさせていただいている方はたくさんいます。

しかし、そういった方ばかりではなく、監査法人でいやな場面にあったこともあります。

やはり会社員である以上しょうがないのかなと思います。

ただあまりに面倒な関係は、独立にとっては自分の経験・キャリアを積む時間や、それだけではなく、それに取られる時間で自分の時間が使われてしまうので、不毛だなと思います。

そういった社会人経験があることは自分にとって無駄ではないと思いたいところです。

私の場合には、特に部署がそういうことが非常に多い部署でしたので、残念だったなと思う部分もあります。

これはアサインされる監査チームや部署など、運による部分もありますので、独立を目指す方はある程度割り切りつつということになるのかなと思います。

その他

その他は具体的にこれ、といって、特別あげるようなものはないというのが、正直なところです。

細かくあげればあるというのも正直なところですが、一個一個あげるほどでもないかなという感じです。

組織に属する以上は、どうしても独立のためだけのキャリアを積めるわけではないのは仕方がない部分があります。

それに結局のところ、監査法人で公認会計士で勤めてるとはいえども会社員です。

今思い返しても面倒な人間関係(責任や仕事をやたら押しつけてくる上司とか、全然仕事しない部下を自分のチームにやたら押しつけられるとか)とかよくある監査法人の面倒な部分って感じが多いです。

監査法人にいる以上、独立を考えているとはいえ、ある程度割り切って考えなければならない部分はあると思います。

自分にとっては不毛な時間なので、なるべくそういった上司に関わらないようにする、そういう問題のある部下を押し付けられたら早めに相談しておくとか、そういった意味でやれることはあると思います。

自分のキャリアで良かった点

次に自分のキャリアでよかった点を記載します。

業種に特化した部署にいたこと

冒頭に少し記載したのですが、業種に特化した部署にいました。

独立するまでは特化し過ぎていて、独立には不利な部署に所属してしまったなーと思っていました。

実際に業種に特化していない通常の会社の監査チームに異動できるように異動希望を出していたくらいです。

今独立してみて、その業種に詳しいこともあり、半分くらいの業務がその業種の仕事です。

もちろんいいことばかりではないので、後ほど記載します。

主査・インチャージを経験できたこと

これは多くの方が主査・インチャージをやってから、やめたほうがいいよという話をしていたので、自分もそれを信じて主査・インチャージをやりましたが、独立後にもいい経験になりました。

自分が窓口になってクライアント担当するということの経験ももちろんありますが、関係者と調整することやスケジュールに従って業務を組む、複数人で業務を行うために管理する、という経験は非常によかったなと思います。

自分のキャリアで独立という意味で不利になったこと

次に自分のキャリアで、独立という意味で不利になった経験を記載していきます。

業種に特化した部署にいたこと

こちらはメリット・デメリットの話になってしまいますが、業種に特化していた分、普通の会社の監査経験が乏しいのはデメリットでした。

特に内部統制が特殊だったので、もっと内部統制とかの仕事をしていれば、独立後に公認会計士として内部統制関連の業務が自信をもってできていたかなと思います。

公認会計士の業務で特徴的だなと思う部分は内部統制関連の業務があげられると思います。

ipo支援でも業務フロー作成あったり、アドバイスを求められるのは、業務フローの話であったりと、する印象です。

という点で業種にかなり特化していたので、事業会社の内部統制を多数こなしていないというところで、自信を持って他社ではこんな内部統制・業務フローですよ、などの話ができたり、内部統制の業務支援などを積極的に営業したりという状態ではないです。

この点はデメリットかなと思います。

少人数の監査チームの管理経験しかないこと

あまり大きな監査チームがある部署にいたわけではなかったので、自分が主査・インチャージをやっていたある程度人数がいるチームといっても5人程度のところです。

こちらもメリット・デメリットの部分かもしれませんが、少人数の監査チームが多い場所にいる=主査・インチャージをやれるチャンスが多い反面のところかなと思います。

とはいえ独立してから大人数の従業員がいてという状況ではないため、今のところはデメリットとして強く感じているところではありません。

しかし万が一何かあって、監査法人に戻る可能性を残しておきたい、転職して会社員に戻る可能性も視野に入れておきたい、という方の場合には監査法人でのマネージャーまでの経験があるとよいかもしれません。

監査法人からの転職ですが、マネージャーまでやっておくといいよという先輩がいらっしゃったので、記載していますが、実際周りに独立から監査法人に戻った方や転職で会社員になった方がいらっしゃらないので、独立後は必ずしも有利になるわけではないのかもしれません。

監査法人でのキャリアまとめ

私の監査法人でのキャリアは記載した通りです。

メリット・デメリットなども記載しましたが、独立を意識して監査法人できちんと業務をこなしていけば、意外と独立にも役立つスキルやキャリアなどもあると思います。

それに監査法人にいて客観的に見ていて思ったのは、監査法人にいて優秀な方やできる方は転職しようが独立しようが優秀だし、できる、という方が多いと思います。

その反面、監査法人にいてもぱっとしない方は独立しようが転職しようが、ぱっとしないことが多い気がします。

(ぱっとしないは、どうせ自分で独立ないし転職するから、といっていい加減に仕事していたり、それをいい訳に仕事をしないとか、そういう感じです)

監査はやっているとつまらないと感じることもあるかもしれませんし、自分もだれていたなということもないわけではないのですが、

独立も視野に考えてるという方はせっかくの監査法人なので、頑張って損はしないと思います。

私の簡単な監査法人のキャリアとその独立後のメリット・デメリットを記載してみました。これから独立を考えている方に参考になれば幸いです、

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